来談者中心療法
⇒ 悩み事なら、話して安心、カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 へ
カール・ロジャースが開発したカウンセリング技術で、正に、カウンセリングの基本と言ってよいかと思います。カウンセラーと名乗る人で、この療法を使えない人はいないのではないでしょうか。それほどまでに有名で、カウンセリング=来談者中心療法と考えている人も少なくありません。覚えやすく使いやすいのが特徴ですが、奥は意外に深く、単純であるように見えながら、非常に難しいという一面をも持ち合わせています。
この療法の骨子として、「人は誰でも、自らの内部に、自己を成長させ、実現する力を持っている」があります。すなわち、「カウンセラーがクライエントの気持ちを受容し、共感的に理解すれば、クライエントは自らの力でもって、立ち直っていくであろう」という考えです。もっと乱暴なほど簡単に言えば、「ただただ、クライエントの話に耳を傾けよう」という療法です。
「 えっ、ただそれだけ!?」と驚かれる方は少なくないと思いますが、実際この療法の効果は素晴らしく目を見張るものがあります。私が思うに、訪れるクライエントの6〜7割の方は、この療法で回復するのではないかと思います。逆に言えば、それほどまでに私たちは、普段誰からも話を聞いてもらえないのだということがおわかりになると思います。いえ、もちろん聞いてもらえることもあるでしょう。けれど、多くの場合は、話せば話すほど、後で聞きたくもない忠告や説教を聞かされ、理解されていないという不満ばかりが、結局残る結果になるのではないでしょうか。
問題を抱えている人の多くは、必ずと言って良いほど、情緒的な混乱と、深い孤独感を持っているものです。悩んでいる人は皆、「どうしていいかわからない、自分自身、どうしたいのかさえわからない。こんな深い哀しみ苦しみは誰にも理解されないし、私は孤独だ」という思いを、頭の中でグルグル巡らせているようです。話をすれば、そして聞いてもらえば、頭の中は少なからず整理されるものですし、理解されたことによって、孤独感はかなり安らぐものです。来談者中心療法は、一度体験すればその威力に驚かれるのではないかと思います。
少し例をあげて説明します。
「お母さん、ころんじゃった。痛いよー。」と泣いて訴えている子に、
「痛いのは当たり前だ」とか
「泣いても痛みなんか消えない」とか
「転ばないように気をつけなさい」と言ったところで、その子の痛みが治まるでしょうか? 気が晴れるでしょうか? 逆に、わかってもらいない悔しさ哀しさで、よけいに痛くなるし、哀しくなるのではないでしょうか?
そんな時、「それは痛いねえ」と優しく言われたら、どんなに心安らぐことでしょう。
この「痛いねえ」と言う言葉かけが、すなわち来談者中心療法なのです。
この言葉かけは、なんのアドバイスにもなっていません。けれど、確実に効果があります。 「痛いねえ」と言われた子の多くは、しばらく泣いた後で、「これから、ころばないように気をつけるね」と自ら解決策を言って、元気を取り戻すものです。
でも、こういう言葉かけが出来ない人は、実に大勢います。何故かというと、それはやはり、大変難しいことだからです。人の気持ちを理解するということは、非常に難しく骨が折れることなのです。
「話を聞くのは簡単だ」と言い放つ人は、人の話を真剣に聞いたことがない人の言うセリフです。実際、カウンセリングの実技を行うと、ほとんどの方は、「いやあ、人の話を聞くのがこんなに大変なことだとは知りませんでした。」と言います。人は、話を聞くと、つくづく、つい何か言ってやりたくなってしまう生き物なんですねえ。
「○○の相談に行ったら、『あなたが悪い』とか、出来そうもないことをやれとか言われて、よけいに落ちこみました」と聞くことがありますが、そういう、人を混乱させることを言うのは、カウンセリングを全然学んだことのない人であると断言してよろしいかと思います。そういう意味では、カウンセラーはアドバイザーでありません。
カウンセラーに必要な態度条件
@ 自己一致
A 無条件の積極的関心と尊重
B 共感的理解
するとクライエントは、より深く自分の感情や態度を探り始め、以前には気付かなかった自分の面を発見するようになり、さらに自分を大切にするようになり、自分の声に耳を傾けるようになります。そうして、自己を否定する態度から自己受容する態度に移行していきます。
ページのトップへ戻る
カウンセラーが教える「自分が好きになる方法」