こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい心理カウンセラー、竹内成彦です。
実際に比べたことはありませんが、私のカウンセリングルームは希死念慮を抱えた
クライアントが多いのではないかと思います。
私は自殺願望を持ってらっしゃるクライアントには、自殺を思いとどまるよう説得
することがありますが、希死念慮を持ってらっしゃる方には、その考えを改めるよ
う説得することは基本ありません。
希死念慮は、自殺願望と違って、ちょっとやそっとでは消えないからです。
私は、20年ほど前、あるカウンセリングルームに行って、自分が漠然と死を待ち
望んでいる状態でい続けていることを伝えたところ、強く説得され、大変に困惑し、
不愉快な気持ちになったことがあります。
そのカウンセラーいわく「死にたいなんて贅沢だ。世の中には、生きたくても生き
れられない人もいる。今生かされていることに感謝して、今を精一杯生きなさい」
とのことです。
「そんなこと言われなくてもわかっていますよ」という感じです。
自殺願望を持ってらっしゃるクライアントは、「自殺を止めて欲しい」という気持
ちを持っていることが多く、私はその要望に応えて、全力で自殺を思いとどまるよ
う説得したりすることがありますが、
希死念慮を持ってらっしゃるクライアントに対しては、「どうして死にたいと思う
のか? それはいつ頃からなのか? にも関わらず今日もこうして生きているのは
何故なのか?」共感しながら傾聴を続けるだけです。
カウンセリングの終わりごろには、クライアントに「わかってもらえた」という安
堵感を持った笑みがこぼれ、私の気持ちも穏やかな海のようになります。
最後に、おまけという感じで希死念慮が薄らぐ方法を伝授します。
あくまでもおまけであり、個人差はありますが、効果は少ないようです。
ちなみに希死念慮を持ってらっしゃる方が死なない理由は、しっかりした死生観を
持っている、人間いつかは必ず死ぬのだから今あわてて死ぬ理由はない、というよ
うなものであることが多いです。
私は死にたいと思う人の気持ちが痛いほどよくわかります。
それは、生き続けたいと思う人の気持ちがわかるのと同じぐらいです。
⇒ メルマガの購読者は1万名ちょっと。週に1~2回発行しています。
この機会に、ぜひメールアドレスをご登録ください。